
「工場内が暑くて作業が辛い……」
「効果的に室温をおさえる方法は何があるのかな?」
近年は、夏以外でも30度越えの日が続くようになり、工場内の作業環境を整えることが急務となっています。
とはいえ、広い工場内ではエアコンも効きづらく、電気代がかかれば経営を圧迫するリスクもあります。
工場内の室温を抑え、従業員が気持ちよく働ける環境をつくるには、工場の屋根を冷却するのが効果的です。
そこで今回は、工場の屋根の暑さ対策を3つ紹介します。
記事を読むことで、工場の屋根の暑さを抑え、快適な作業環境の中で生産性を高める方法が分かります。
工場内の暑さ対策を知りたい方、従業員への体力的負担を解消したい方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
工場の屋根の暑さ対策①遮熱塗装【ミラクール】

工場の屋根の暑さ対策として、屋根に遮熱塗装する方法があります。
「ミラクール」は、建物の表面温度の上昇をおさえる、耐久性に優れた遮熱塗料です。
ミラクールの効果
屋根にミラクールを塗ることで、屋根の温度が10~20℃程度下がり、室温の上昇を抑えます。
遮熱塗料には、日射や赤外線を反射させ、室温の上昇を抑える効果があります。
実際に弊社の倉庫へ遮熱塗料を塗ったところ、真夏の40℃近い外気温でも、倉庫内へ入るとヒンヤリした空気に変わることを実感しました。
さらに事例として、建設後から一度も塗り替えを行っていないお客様の工場の屋根へ、ミラクールを施工しました。
サーモカメラで撮影したところ、表面温度は以下の画像のように、19℃近くまで下がっていることが分かります。

室内で作業していた従業員の方にも「涼しくなってよかった!」とのお声をいただきました。

また、塗装前は屋根の錆が酷く、雨漏り寸前の状態でした。
上の写真の右半分がミラクールを塗る前、左半分が塗った後となります。
塗装したことで屋根はきれいに改修され、遮熱効果も十分高まったことが分かりますね。
ミラクールのメリット
・建屋の補修もかねて暑さ対策ができる
・見た目がきれいになる
・メーカーの責任施工
・ランニングコストがかからない
ミラクールのデメリット
・冬場は寒くなってしまう。
・工期が長い(ハゼ式折板屋根の場合、1000㎡で約3週間)
より詳しいミラクールの情報ついては、コチラの記事をご覧ください
↓↓↓
物置の暑さ対策にはミラクール?遮熱塗料で熱対策事例を紹介! | 株式会社矢野
工場の屋根の暑さ対策②遮熱シート【冷えルーフ】

工場の屋根の暑さ対策のひとつに、遮熱シートを張る方法もあります。
「冷えルーフ」は自然の力を利用した、低コストながらも持続性がある遮熱システムです。
冷えルーフの効果
屋根の上に冷えルーフを取り付けて、日陰をつくります。
屋根に日陰が出来ることで、屋根材が日射で熱くなることを抑制します。
つまり、真夏の日向で日傘をさしていると、涼しくなることと同じ原理です。
冷えルーフを設置すると、夏場は10~20℃程度屋根の温度を下げる効果があります。
特に2階などの屋根に近いところで作業すると、屋根材から放出してくる不快なジリジリとした熱を感じるものです。
ですが、冷えルーフを施工してある屋根は、その不快感が少なくなり作業しやすくなったと感じました。
サーモカメラで見ると温度差は一目瞭然です。

上記の画像を見ても、冷えルーフの直下は屋根材が熱くならず、冷えルーフの無い箇所は直射日光で熱くなっているのが分かります。
事例としてアルミ加工工場では、施工前、室内に置いてあった材料が熱くて軍手なしでは触れませんでした。
冷えルーフ施工後は「素手でも触れる程度の温度になった」とのお声もいただいています。
また、以前は扇風機の風も暑かったのに、施工後はヒンヤリ感じ、工場内での作業が楽になったとのお声もありました。
冷えルーフのメリット
・冬場の保温効果がある
・結露緩和効果がある
・雨音軽減効果がある
・短期施工(ハゼ式折板屋根 1000㎡で1日)
・ランニングコストがかからない
冷えルーフのデメリット
・金属折板屋根にしか取付できない
・屋根の補修ができない
より詳しいミラクールの情報ついては、コチラの記事をご覧ください
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工場の屋根の暑さ対策③散水

工場内の暑さ対策として、屋根を散水で冷やす方法もあります。
水が蒸発するときに気化熱で屋根の熱を奪い、室温を下げます。
「屋根散水システム」による暑熱対策 : 株式会社イーエス・ウォーターネット | 適応ビジネスの事例 | 事業者の適応 | 気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)
(出展:国立環境研究所)
散水の効果
工場の屋根の上にスプリンクラーなどを設置し、屋根に水を撒きます。
水が流れることで、屋根の温度を奪い室温を下げます。
通年20℃前後の地下水を使えば、さらに効率的に屋根の熱を逃がし、室温上昇を抑えられます。
散水による水の音が聞こえることで、気持ち的にも涼しく、体感温度が下がったように感じられるのが特徴です。
散水のメリット
・比較的安価に設置ができる
・水が確保できれば誰でも設置できる
散水のデメリット
・屋根や壁の劣化が進み、建物の改修時期が早まる
・ランニングコストがかかる
・建屋の周辺が濡れる可能性がある
・大量の水の確保が難しい
・散水量が少ないと効果が無い
まとめ
今回は工場の屋根の暑さ対策として、以下の3つをご紹介しました。
①遮熱塗装を行う(ミラクール:ミラクール | 株式会社矢野)
②遮熱シートを取り付ける(冷えルーフ:冷えルーフ | 株式会社矢野)
③屋根上に散水する
効果はもちろん、メリット・デメリットを踏まえて、快適な作業環境を整えるヒントになると幸いです。
弊社では、現状の屋根の状況やお客様のニーズにあった屋根の暑さ対策を提案いたします。
ドローンを使った現地調査も無料で行っていますので、ご検討の方はお気軽にお問合せ下さい。

最後までご覧いただきありがとうございました。