
「工場の省エネを進めたいけど、どんな対策があるんだろう。」
「色々な省エネ対策をしたけれど、他に良いアイデアはある?」
2025年6月1日から労働安全衛生規則が改正され、熱中症対策の義務化が施行されました。
熱中症対策を優先してエアコンを稼働させると、電気代は高くなる……。
けれど、節電ばかりでは作業環境の悪化で熱中症のリスクも避けられない。
生産性を落とさず省エネを実現するのは、非常に難しい課題です。
そこで今回は、工場の生産性を落とさずに、省エネにつながるアイデアを厳選して7つご紹介します。
工場を稼働させる中で、自社に合った省エネ対策のヒントが知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
ほかの省エネ対策も知りたい方はこちらをチェック!
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省エネ対策でできること|具体的な行動を5項目に分けて詳しく紹介!
目次
工場の省エネアイデア7選

工場の省エネ対策のアイデアは数多くありますが、今回は以下の7つを紹介します!
まだ取り入れていない対策があれば、ぜひ試してみましょう。
太陽光発電設備を導入する

年々電気代が上がるなか、工場はもちろん一般家庭でも自家発電の取り組みは進んでいます。
工場の電気代を少しでも抑えたいのであれば、太陽光発電設備を整えることは非常に重要です。
工場の屋根などに太陽光パネルを設置し、発電した電気を自社で使用することで、電気代・CO2の削減効果が得られます。
以前は、売電収入を考えている企業が多かったですが、最近では売電単価が下がっているので自己消費する企業が増えています。
発電した電力を自家消費し、電力会社から買う電力を減らすことで、結果的に電気代の削減が可能です。
初期費用がかかると思われがちですが、近年は国や自治体の補助金制度も充実しています。
リースやPPA(第三者所有)といった自己所有以外の選択肢もあるので、まだ設置していない場合は検討してみましょう。
照明機器をLEDに換える

省エネ対策のひとつとして、工場内の照明機器をLEDに切り替えることも、電気代の削減につながります。
すでに多くの工場がLED照明に換えている一方で、まだ蛍光灯や水銀灯を使用している箇所もあるのではないでしょうか。
現状、水銀灯はすでに製造中止しており、蛍光灯も2027年12月で生産終了になります。
生産終了後は入手がむずかしくなるので、工場内の照明器具をLEDに切替えることは急務と言えるでしょう。
LEDは消費電力が少ないのはもちろん、長寿命で交換頻度も少なく、環境にも優しい照明です。
たとえば、工場の高天井用照明をLEDに交換するだけで、約72%の省エネにつながります。
明るさや人感センサー付きのLED照明を採用すれば、必要最小限の消費電力で利用することも可能です。
すでに切替え済みであっても、いま一度工場内を見渡し、LED化していない照明があるかどうかチェックしてみましょう。
屋根の暑さを防ぐ

夏の省エネ対策として、工場の屋根の暑さを防ぐことも非常に大切です。
夏になると、工場屋根の温度は80℃近くなり、室内にいるとアツアツのフライパンが頭上にある状態になります。
その状態からエアコンの設定温度を下げても、なかなか空気は冷えません。
さらに、長時間エアコンをつけることで電気代が高くなってしまいます。
対策としては、工場の屋根に遮熱塗装や散水などをすることで、屋根からの熱の侵入を抑え空調効果がアップします。
たとえば「ミラクール」という遮熱塗料を屋根に塗れば、屋根の表面温度が20℃程度下がり、室温の上昇をおさえることが可能です。
より詳しい工場屋根の暑さ対策は、以下の記事で紹介しています。
工場屋根の暑さ対策をチェック!
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高効率型の空調機器に換える

工場内のエアコンにも省エネ対策を行えば、年間を通して光熱費の削減ができます。
エアコンの寿命は10〜15年と言われています。
それを過ぎると、フィルターの劣化や冷媒ガスの漏れ、コンプレッサーの故障などさまざまな不具合が起こります。
不具合があるまま使い続けると、冷房効率が悪くなるため消費電力が上がり、省エネにつながりません。
工場内の冷房が冷えづらい、エアコンから異音がするなどの異常に気づいたら、買い替えのタイミングです。
新しいエアコンを買う時は、エネルギー効率(APF値・COP値)を確認しましょう。
APF(通年エネルギー消費効率)値は、特定の条件下で1年間エアコンを運転させた場合の1kwあたりの冷房・暖房能力を表す数値です。
一方COP(エネルギー消費効率)値は、一定の条件で運転した場合の1kw当たりの冷房能力を示しています。
両方とも、数値が大きいほど省エネ性能が高いので、エアコンを買い替える時の判断材料のひとつとしましょう。
また、エアコン交換後は、定期的な空調フィルターの清掃や設定温度の見直しなど、メンテナンスを習慣づけましょう。
室外機の設置環境を見直す

室外機の設置環境を見直すことも、工場の省エネ対策につながります。
工場外にある室外機を見ると、直射日光が当たる過酷な環境に置かれていませんか?
直射日光を受けると、本体や熱交換器が高温になり、冷暖房機能が低下するだけでなく室外機の交換寿命も縮むリスクがあります。
結果的に電気代も高くなってしまうので、室外機の遮熱対策は非常に重要です。
対策としては、室外機に日陰をつくったり、遮熱塗装等を施したりすることで、熱交換効率がUPし省エネに繋がります。
「最大で40%も消費電力が削減できた事例」もあるので、まだ室外機への対策ができていない場合は設置環境を確認してみましょう。
室外機の省エネ対策を詳しくチェック!
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ビニールカーテンで間仕切りする

工場をビニールカーテンで間仕切りするのも、省エネ対策のひとつです。
工場や倉庫など広い空間をエアコンで冷やす(暖める)には、かなりの電力を消費し電気代もかかります。
対策として、作業場エリアごとにビニールカーテンで仕切ることで、無駄なく空調を使用できます。
ビニールカーテンは空調効率が改善するだけでなく、防虫や防炎対策としても有効です。
まだビニールカーテンを導入していなければ、この機会に検討してみましょう。
間仕切りカーテンの種類を知りたい人はチェック!
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従業員の省エネを意識向上させる
「空調の設定温度を守らない。」
「長時間いないのに照明がつけっぱなしのまま……。」
従業員の省エネへの意識が低いと、費用をかけて対策を行ってもムダになってしまいます。
コストをかけず直ぐに実行できる対策は、従業員の省エネ意識の向上です。
従業員の省エネ意識を向上させるには、以下のような内容を進めてみましょう。
〇省エネマニュアルを整備する
⇒照明のON/OFFのルールや、空調の設定温度など具体的な行動にルールを作る。
〇省エネ推進担当者の配置
⇒管理責任者を任命し、社内での啓発活動を行う。
〇定期的な社員教育
⇒省エネマニュアルをもとに、定期的に社員教育を行い、省エネ意識を根付かせる。
参考資料:一般財団法人 省エネルギーセンター「工場及びビルの省エネルギーチェックリスト」
また、優秀な取り組みを社内で表彰するなど、従業員の参加意欲を高め、全体の省エネ活動を推進していくことも有効です。
たとえ効果が少ない対策でも、従業員の省エネ意識が変われば、大きな省エネ効果に結びつきます。
設備の見直しと並行して、あらためて従業員ひとりひとりの省エネ意識も向上させましょう!
まとめ
今回は、工場の省エネ対策につながるアイデアを7つ紹介しました。
①太陽光発電設備を導入する
②照明機器をLEDに換える
③屋根の暑さを防ぐ
④高効率型の空調機器に換える
⑤室外機の設置環境を見直す
⑥ビニールカーテンで間仕切りをする
⑦従業員の省エネ意識を向上させる
太陽光発電設備や空調機器の入れ換えなどは、大きな投資が必要です。
一方、室外機の暑さ対策や、間仕切りカーテンの導入などは、比較的安価で取り入れられる省エネ対策です。
従業員に対し、省エネに繋がる考え方や取り組みを伝えることも、非常に重要となります。
いちどに全て進めるのではなく、まずは自社の工場内ですぐに取り組める省エネ対策は何か見直してみましょう。
弊社では、実際に工場を見学させていただき、それぞれのお客様に合う省エネ対策をご提案をしています。
工場の省エネ対策でお困りの際は、ぜひいちど弊社にお問合せ下さい。

最後までご覧いただきありがとうございました。
